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草原の椅子・宮本輝
 最近の私は人間に疲れ気味だ。この人間の中には当然自分も含むのだが、その無責任さ、身勝手さに大きく落胆し一人で部屋にいたいなと思うことが多かった。そんな私の乾いた心に瑞々しさを与えてくれたのがこの「草原の椅子」である。通常小説を読む時ストーリー展開が気になり、ついつい読み急いでしまうのだがこの本はちょっと違った。この本を読み終えることは登場人物たちとの接点を失うことでもあり、それが非常に勿体ないことのように思えたからだ。
 
 ブッククラブに参加した際に課題となった村上春樹の作品にこんなコメントがあった。氏の書く作品はとにかく登場人物が格好いいと・・・そういう視点で見ればこの草原の椅子に登場する人物はいずれもこれには当てはまらない。どちからと言えば不器用で無骨な人達だが、彼らの心根の美しさ、人間としての器の大きさに私は魅了された。世間の塵や埃、腹の立つこと、不愉快なことを前にすると、ちょっとズルしたい、信念や真面目なんて今時美徳にならないという思いが頭をもたげる、そう「魔」が指す時がある。しかし軽佻浮薄な人間にはなるまい。

 収納スペースの関係上、読後の本は手元に残さず、気の会う友人に読んで貰うことにしている。そしてその友人からまた別の友人へと言った具合に本好きの間を転々とするのだ。しかしこの本は手元に残す。きっと私にはあの人間的魅力に溢れた3人に再び会いたくなる日が来るだろうから。


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【2010/09/01 08:00 】
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働き方
 本書は京セラの創業者稲盛和夫氏の著書である。私は一時ビジネス本に凝ったことがあり、トヨタ関連を始めいくつか読んだ。若い頃はビジネス本はおじさんのための教科書と思っていたのだが、いやいやどうしてこれがなかなか面白い。ビジネスの極意、仕事で成功を収める秘策は意外にも人生の方程式にも当てはめることが出来る。

 稲盛氏には多数の著書があるが、本書はこれまでの経営指南本でも、氏が得意分野とする工学技術の分野の話でもない。私達はなぜ働くのか、いかに働くのかといった仕事に対する氏の理念が非常に解りやすく書かれている。稲盛氏は幼少の頃より学業優秀で学校中の先生が太鼓判を押すにも関わらず中学受験に2度失敗、更に志望大学の医学部への受験にも失敗する。しかし気を取り直し工学部へ入学、猛勉強を続け将来を有望視されていたが大手企業の就職にことごとく失敗。稲盛は不遇な男というレッテルを貼られるほど、何をやっても上手く行かなかったそうだ。そんな氏が紆余曲折を経て創業した京セラは、地元京都で一番の会社にするとの創業当初の目標をはるかに超える世界に名だたる会社に成長を遂げた。仮に氏が医学部の受験に成功していたら、今日京セラという企業は存在しなかったかもしれない・・・やはりそれぞれに使命がそして進むべき道がある。

 氏は本書の中で「働くということは試練を克服し、運命を好転させてくれる『万能に効く薬』」だと言っている。如何なる偉業と言えど、この現実社会からそして日常からかけ離れた成功はないようだ。今、仕事で行き詰まりを感じている人、不景気や政治不信がもたらす閉塞感に潰されそうな人は読んでみてはいかがだろう。解決への糸口は案外身近なところにあるものだ。私も明日の面接の前にもう一度読み返えそうと思う。


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【2010/08/27 08:00 】
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アルケミスト・夢を旅した少年
  ブラジルの作家パウロコエーリョの名を一躍有名にし、ブラジルのみならず世界中でベストセラーとなったこの作品、ちょっと思うところあって、10年ぶりに本棚から引っ張り出した。
 『何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる』という錬金術師の言葉に背を押され、羊飼いの少年サンチャゴが夢のお告げを信じ宝物を求めピラミッドへ旅に出る。長い旅の途中で常に予想だにしない出来事に遭遇し、そして選択を迫られながら人生の知恵を学んで行く話である。大人の寓話という書評もあるが、私達が日常の些事の片隅に置き忘れたものを再び取り戻したいと思わせるこの小説が私は好きだ。旅の途中で出会った老人が少年に対し、誰もが信じている世界最大の嘘は『人は人生のある時点で、自分に起こってくることをコントロールできなくなり、宿命によって人生を支配されてしまうということだ。』と告げるシーンは何度も何度も読み返した。

 10年前、旅の途中だったある日本人と出会った。彼が差し出した名刺に記された「写真撮る人」という遠慮がちな肩書は、彼が自身へ課した宿題をまだやり遂げていないことを示していた。その彼がアジアの長旅を終え、日本帰国後に友情の証にと贈ってくれたのがこの本である。それから数年後、彼はニコンをスポンサーに東京で念願の個展を開いた。彼は夢を旅した・・・そう彼自身サンチャゴだったのではないかと思う。


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【2010/08/16 08:00 】
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睡蓮の長いまどろみ

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 これは宿命を受け入れることをテーマにした宮本輝の小説である。受け入れいるとは、観念や無力感ではなく、宿命に翻弄されることなく自分の人生を自分自身で自由自在に作って行くことだ。
 私は昔、運命は変えられても宿命は変えられないと聞いたことがある。ケーキに例えるなら運命は生クリームで、これは私達に自由にデコレーションすることを許すが、土台であるスポンジ部分は不変のものであると・・・当時はなるほど上手いこと言うな~と感心したものだが今なら言下に否定するだろう。この仏法に出会っていなければ、私は今もなお自身の宿命にねじ伏せられもそれを直視することが出来なかったかもしれない。
人生の本当の勝負は40代に入ってからだと思う。それまでは勘や勢いを頼りに乗り越えて来れるがそこから先はそうは甘くはないだろう。

 宿命は間違いなく私達の中に存在するがもうそれに怯えることはない。宿命は変えられるのだから・・・


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【2010/05/20 11:50 】
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解夏
 さだまさしの解夏(げげ)は良い意味で期待を大きく裏切った。芸能人が本業以外で成功する例は極めて少ないように思うが、この作品は琴線にふれた。目下失業中の私は週平均3冊の本を読むが、今年読んだ本の中でも非常に印象に残る内容である。ベーチェット病という視力を徐々に失う難病におかされた元教師の心情が、静かに描かれたこの作品は日本で映画化されたようだ・・・

 お釈迦様はインドでは生命誕生の時期である雨季には歩くなと言われたそうだ。修行僧が歩くことで虫の卵や草木などの小さな命を踏んでしまうことを危惧し、雨季の約90日間は外出を控え共同生活で座禅をして過ごす。これを入安居と言う。(タイ語で「カーオパンサー)この入安居が明ける日が解夏である。

 今日から明日へ、過去から未来へ連綿に流れて行く時間の中で、自分の人生における岐路、フェーズが大きく変わ瞬間がある。夏が解ける・・・解夏。

 私の解夏はいつだろう・・・

今日は5・3記念日ですね!また新たな広布の歴史が刻まれるでしょう。
 
【2010/05/03 10:57 】
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